『今日は、障害をお持ちのお子さんの事を相談する日なんですよ。まぁ色々と悩みとかを私達、職員が聞くんです』
へぇ~。こう言うのもあるんだぁ・・・と思いながら私は、職員の人に有り難うございますと言って職員から離れた。
なるほど。
だから障害の子を連れてるんだ。
私は、一つ気になってしまった。
あの今にも涙がこぼれ落ちそうな人は今日、子供を連れて来ていない。何でなんだろう……。
私も障害の子を持つ同じ母として、気になって仕方無くなっていた。
まだその女性が、障害の子を持つ母とは分からないのに……。
そんな事を考えながら私は、女性から目を話せないでいた。
そして、少し経って女性は口元に自分の手をあててセンター内の違う角へと駆けて行った。
えっ?・・・・
どうしたの?
もしかして泣いてる?
よせば良いのに私はその女性に近付いて行く。
何か、ほっとけなかった。
あの目を見たから。
私も涼也の事で何度も同じような目をして来たから。
ゆっくりと女性に近付いて私は、女性の肩をそっと軽く叩いた。