そして……長く感じた一週間は終わり、医師の言う通り涼也の肺炎も完治して退院の運びとなった。


この、一週間ね、涼也が居ない家は何か物足りなかったよ。
いっちょ前に存在感があるんだね。


なんだか涼也が家に戻って来るのが嬉しい。

………もしかしたら、家に帰って来た涼也は家だと分からないかも知れないのにね。



退院して、病院を出る時も相変わらず涼也は無表情。



今日は涼也の為に、ぺんちゃんは仕事を休んでくれた。


だから久し振りに家族4人で、ぺんちゃんの運転する車に乗って家に向かった。



15分ほどで家に到着。
チョッ君は、やっと着いたと喜び、ぺんちゃんは荷物を車から運び出し、私は涼也を抱っこした。


そして、ぺんちゃんが玄関の鍵を開けて私達は玄関の中に入った。


『きゃっ…アハ…アハハ』



――――笑った――。

涼也が始めて笑った。

しかも一週間ぶりの家の玄関で。


普通の子供が笑う笑い方と一緒だった。


私は、また泣いた。


嬉しかった。



涼也が家に帰って来たのを涼也本人が嬉しいと思ってくれたよ。



私達は、初の涼也の笑い声に釣られて笑った。