「…??」

私は差し出された手の意味がわからずに戸惑っていた。

「握手。俺ら友達だろ?」

友達…??

私は戸惑いながらも出された手を握った。

初めて自分から男の人の手に触れた。輝の手は大きくて暖かかった。

「それより、ユリ居場所が無いんだろ?」

「うん…」

「じゃあ俺と一緒に来いよ」

「え?どうゆう事??」

私は訳が分からずに輝の顔を見上げた。

輝は180センチはある長身に対して私は156センチ。見上げないと輝の表情が分からない。

「俺がユリの居場所を作ってやる」

そう言うと輝は私の手を引いて歩き出した。
不思議と怖いとかそういう気持ちは無く、私は輝についていった。
たどり着いたのはさっきのナンパ男に殴られそうになった場所の反対側のビル。輝の働くお店がある所。

私と輝はお店の中に入った。