「大丈夫?」

そう言ってハンカチで涙を拭いてくれた。

「ありがとうございます…」

その人は人気の少ない裏道に私を連れていき私が泣き止むまで傍にいてくれた。

「君さ…いつもあの階段にいるよね?どうして?」

「居場所が無いから…」

「そっか…」

「どうして私の事追い掛けてきたの??」

その人はタバコの煙を吐きながら言った。

「俺さ、君がいつもいる階段の向かい側にあるビルでホストやってて、いつも窓から君の事見てた。今日も居るなと思って見てたらナンパ男に絡まれてて下に降りていったら君はもう走りだしてたから追い掛けてきた。」