「安藤君から大野さんまで廊下に出てください。」



音楽の先生がそう言った時、ふと思った。
安藤はあたしの存在に気が付いてるのかな?



そう思ってドキドキする。



てゆーか、音楽のテストの方が緊張すんだよ!!



どうして千夏が一緒じゃないのー!
と、心の中で喚いた。



出席番号が11番の奥山千夏は、
あたしに余裕の笑みを見せ、
行ってらっしゃいと言った。



あたしの緊張をわかってない千夏。



安藤と同じ。
そして、リコーダーのテスト。



こんなにドキドキすることってないだろう。



「1番、安藤くん。」



浜辺の歌を簡単に吹き始めるんだと思ってたのに、安藤は困った顔で隣の子に聞いた。



「最初って何の音?」