何やってんのあたし!!
ちゃんと安藤の声知ってたじゃん!



完全にあれって安藤の声じゃん!
電話通してだから少し違ったような気がしたけど、一之瀬君の声じゃないことは完全に分かってたはずなのに....!



プルルル....とまた電話が掛かってくる。



慎重にあたしは受話器を取った。



「....もしもし。」



『満月中学校の2年A組の安藤直樹ですが
 詩織さんはいらっしゃいますか。』



....!!
やっぱり安藤だ。
どうしよ。
さっきの記憶は取り消せない。



「えっ?安藤君?
 ビックリしたーどうしたの?」



知らなかったフリは上手くいかないことが多いけど....ものは試しなんだよ。



『大野さんにそんな演技されて
 俺の方がビックリしたー。』



間髪を容れずそんな反応を返す安藤にあたしは



「ごめんね、さっきのは妹だったんだよ。
 いや、これマジで。」



『....』