「まだだ…!!」
ロゼオは往生際が悪く喚き散らす。
「……はっ…まだだ…まだ終わってない…
国王様は、僕等が捕まったと知ったら、
必ず戦争を持ち掛けてくるっ…!!
そうなったら
この国も終わりだ!!あははははっ」
狂ったように笑い出すロゼオを、何も言わずに眺めながら、姐御は言い放った。
「ロゼオ…もうすぐこの騒ぎは国中に広がり、
お前が国王を殺したのは明るみになる。
……そうなれば、
どのみちそれを命じた国王も終わりだよ」
図星を突かれ、ロゼオは言い返す言葉がなかった。
「……糞っ…君達まとめて、
僕が皆殺しにしてやるっ…!!」
自棄になり叫び出すロゼオに、王子は冷たく言い返す。
「無駄だ…お前はもう俺には勝てない。
俺はさっきよりも、強い…」
その冷徹なまでの迫力がある言葉に、成す術なくロゼオは押し黙る。
そこで王子は口を開いた。
「安心しろ、殺しはしない…」