「これなんか旭にいいよね!」
葵ねぇはパパッと、選んではパパッとレジでお会計。
わたしは、もっとよく考えてから決めればいいのにな…。
と、言うと。
「ショッピングは悩んじゃダメ!パッと、決めて後は直感だ」
ニカッと笑い、次から次へと片っ端から、品物を選んで行く。
あっという間に、葵ねぇの両手に袋の束。
ショッピング袋を抱えて楽しそうな葵ねぇは、何だか子供みたいだった。
生暖かい風の下から見上げたJRタワーの、その迫力に言葉をなくし。
今まで見て来たビルの山をも、飲み込みそうな勢いで堂々と建っている。
「か~っ…デカイな~」
「…どうやって建てたんだろ」
「でーっかいクレームを何台も使って、たーくさんの人の手で何年もかけて建てられたんだよ」
「へー…」
「何か…感動だな~っ」
「みーんな同じでしょ?機械はあるけどそれを動かすのは人の手。全てが人の手で造られて行く。畑も漁も一緒!」
空を見上げ、わたしたちに言い聞かせる。