葵ねぇが、クルクルとまとめてくれた髪型と。
葵ねぇが仕立ててくれた、ピンクのフリルがたくさん付いた服を着て。
葵ねぇが言う、“スキニー”って言う白いズボンを履かされ。
普段は着ない服装に、戸惑うばかりだった。
「…ほらー!行くよー!」
わたしと同じ髪型をして、小さな花柄のノースリーブのワンピースを身に纏い、同じ足首が細くなったジーンズを履いた葵ねぇの、滅多に見せない細い腕が。
すごく真っ白で、作業つなぎを着ていないせいか。
すごく、キレイなお姉さんに見えたから。
日夏の腕にしがみついたまま、わたしは言葉を失ったんだ。
「…耕にぃこそ照れてんじゃんかよっ」
ボソッと、そう吐き捨てると、日夏はわたしの体を振りほどき車へと走って行った。
いつになく、顔をくしゃくしゃにしている耕にぃに。
「…大丈夫!葵ねぇはわたしが守るから!」
と、言い残し。
目を丸くした耕にぃに手を振った。