両手に紙袋を下げ、疲れ果てた様子の日夏ママが帰ってきた。
「おみやげっ!やっり~ぃ!まんじゅ~か!心音も食えよ!」
「わたしチョコー!」
「あたしこれ食べる!準ちゃんは?」
「これも美味しそうだね?」
ワイワイと、日夏ママのお土産のお菓子に手を付けて行く、わたしたち。
「…運転には自信があったのに…。やっぱりもう年なのかしら…」
と、虚ろな顔で呟いた。
急須と湯呑みをお盆に乗せ、葵ねぇは言った。
「少し休んだらどうです?」
熱い湯気を立ち上らせ、湯呑みに注ぎ。
そして、隣の部屋にお布団を用意していた。
「…ありがとう。悪いわねぇ、日夏の面倒見てもらって。…葵ちゃんも疲れたでしょう?」
「私は大丈夫ですよ!それより…、顔色悪いですから…」
葵ねぇは、隣の部屋に日夏ママを強引に押しやり、カーテンを引いた。
そんな、一連の流れを読み取ったのか、みんな一斉に口を閉ざした。