水滴が滴るグラスの中の氷が、カランッと音を立てた。


「…DSなんて買えないし。手作りって言っても日夏は男の子だもん。ビーズとかそんなの嬉しくないでしょ?」


底が濃くなったコーヒーをストローでカラン、カランッと、掻き交ぜながら耕にぃも一緒に考えてくれる。


「うーん…」


「千円くらいで買えるもので、何がいいかなって…」


「…千円?」

耕にぃが眉を潜め、わたしに聞いた。


「うん。今日、日夏パパにバイト代貰ったんだよ。その千円なんだけど…」


「お!すごいじゃん!バイト代貰うなんて、いっぱい働いたんだなー」


「うん!いっぱい昆布並べたよ!」

と、思い出してつい口元が緩んだ。


「おっ!やっと笑ったな?心音は笑ってないとなやっぱ!」

耕にぃも、目尻を垂らし笑う。


「…ヘヘッ」


「よーしっ!一緒に考えような?」


「…うん!」


耕にぃが笑うから、わたしもニコニコした。