ピンク色のハートの型をした貝殻のピンバッチ。
キラキラした青いのとピンクのラインストーンが2つ、透明なラインストーンが3つ並んでいた。
「…葵ねぇに手伝ってもらったんだ~それ」
「へ?…日夏が作ったの?」
「その貝殻は、こないだ来た時…ここで拾ったんだよ。なんかピンクだしっ…心音が好きそうだから…!そのピンクはお前で青がオレ…白いのはあいつらね」
わたしは、手の中の貝殻から目を離せないでいた。
真上まで登った太陽の光に反射する石は、キラキラ光を放ち、本物の宝石みたいに輝かせる。
「…ありがとう…」
と、日夏の顔を見ると。
「ばっ、こっち見んな、バカっ!ふふんっ、誕生日に何もやらなかったからなっ」
わたしの瞳の中に、耳まで赤くして茹でタコ状態の日夏の顔を捉えた。
「見んな!」
「ふふふっ!」
「…見るなって!」
「ふふっ」
わたしは恥ずかしがる日夏を、いつまでも目に焼き付けた。