普段の日夏はいつだってふざけて。

騒いで…。


葵ねぇを怒らせて。


耕にぃを困らせて。


わたしをからかってバカにする。



ムカつくヤツなんだ…。



ほんとっ…。



ムカつくヤツなんだよ…。




日夏…。反則だよ?



そんな顔するの。




「うん…日夏がいないと淋しいよ…」


「…やっとわかったかっ!バカだな~っ!遅~よっ…よし!手を出せ!」


「…へ?」



「屁じゃなく、手!」


言われるがまま、わたしは手を出した。


グイッ、と、わたしの手首を握り、自分の前まで引き寄せ。

わたしの手の平に何かを握らせた。



「…?」

…手をゆっくり開くと。