日夏が話てくれた昆布の作業は、わたしには半分も理解できずにいた。


「とにかく…昆布は手間暇かかってめんどくせ~んだ」


ただ、日夏が言うように。

手間がかかり、大変なんだってことはよくわかる。



「昆布のやろ~!どんだけ乾けば気が済むんだよっ!」


文句は相変わらずだけど、海にいる日夏は、畑にいる時よりも生き生きしていて。

太陽を背にしているからか、いつもより真剣な眼差しだからか、眩しく見えた。



「日夏は、日夏パパの後を継ぐの?海の男になるの?」


「アハハッ!何だ?海の男って!?だ~か~ら…その顔やめろって!」

大笑いした後、わたしの眉と眉の間を指で押した。



急に大人顔して。

「お前が、きょとんってする顔…オレは好きだかんな~…」


「…へ?」


「先のことはわかんね~けど。みんなといたいよ、オレはな!だってよ~っ、みんなはオレがいないと淋しいだろ~がっ?」

わたしの眉間をグリグリ摩る。