窓の外を見たままの観月。
いっこうに話が進まなかった。
生理3日目のあたしは、さっきからお腹が痛いのを堪えていたけど、そろそろ限界だった。
「ちょっとトイレ行ってくる」
マユナに「思春期の女子は生理のことはあんまり口外しないものだよ」と言われてからは、なんとなく気をつけるようになった。
「蕾、腹痛いのか?」
ベッドサイドの椅子から立ち上がると、咲之助が心配そうにそう言った。
「あ、うん、まあ」
「大丈夫か、せ…」
「大丈夫大丈夫っ じゃ、ちょっと行ってくるっ」
生理なのを咲之助は知っているから今さらだけど、観月にはなんとなく知られたくなかった。
咲之助の言葉を遮って、あたしは病室からそそくさと逃げ出した。