「ちゃんとふってよっ」
そう叫んで見るけど、今思うと、付き合ってたか付き合ってないかも分からないような関係だった。
一緒に行けなくなったことに安心してしまった罪悪感。
でもいざ終わってしまうと思うと、それも寂しくて。
どっちにしろ、"あなただけ"って一途な気持ちにはなれない。
「…ごめん」
罪悪感からつい謝ってしまう。言われたほうは、困るだけなのに。言わずにはいられなかった。
いきなり謝ったりして、会話が成り立ってないよね。
「…ごめん」
支えてあげたいと思ったのは本当なの。なのに。
「ごめん」
一緒に行けなくて。
中途半端で。
本当のあたし言えなくて。
他に守ってあげたい子ができちゃって。
「ほんとにごめん…っ」
謝らなくちゃいけないことが次々に浮かんで、言う度に視界はぼやけていく。
だんだん前が見えなくなってきて、一度まばたきをするとせき止められていた涙がボロボロと頬を伝った。