会話の流れを無視した"分かんない発言"にこっちが分かんないと言うような顔をすると。
「その質問にはあたしは答えられない」
ズルズルとベッドから床に下りてきながら蕾は言った。
「どっちについて行っても最初は後悔すると思うし。」
蕾はぺたんと床に座ると、体を縮込めて体育する。
「でも、好きな人について行ったほうが後悔は少ないかも…、ね?」
これまで直球な言葉を投げかけてきていた蕾が珍しく曖昧だった。
「で、なんでそんなこと聞くの? アヤはどこにも行かないんでしょ」
蕾の話しはまた最初に戻った。
なんだか完全に蕾のペースに飲み込まれてる。
「行かないよ」
「だよね。アヤは嘘つかないよね。」
「うん、つかない。」
ここまで言っておいて裏切ったら恨まれるだろうか。
"嘘つかない"なんて、蕾は本当のあたしをまだよく知らないから、そう言えるんだ。
ああ。未来なんてどうでもいいから、今この瞬間思いっきりあたしを抱き締めてくれた人のほうについ行きたい。
いっそのこと、もっと自分勝手にあたしを振り回してくれればいいのに。
なんであたしにこんな選択させるかなあ…