君が泣くと、そうしたくなくてもあたしも泣かなくちゃいけない。
がまんなんて知らなかったから、涙は素直に流れてく。
なんで涙が出るんだろ。
なんでこんなに心が不安になるんだろ。
あんまりにも2人揃って泣くから、一回だけベッドを離されたことがあったでしょ?
あの時は、体が引き裂かれたようにつらかった。
無意識に君を求めてじたばたしてたら、若い看護師さんが君のベッドに寝かせてくれた。
ほっぺを桃色に染めて半泣きしてた君のとなりにまた戻れて、あたしは静かに眠りについた。
君の性別も、君の名前も、というより自分のことすらよく分かっていない時から、なぜだか君を求めてた。
もしかしたらあたし、君に会うために生まれてきたのかもしれない。
好きも嫌いも知らないまま、ただ漠然とそう思った。
そう思ったんだよ。
なのに咲之助
君はなんで…