おじさんがいなくなると、咲之助はすぐに顔を上げた。
そして窓を開けて顔を覗かせてきた。





「よ、蕾」



頬は微かに赤い気がする。
絶対痛いだろうに。笑っている咲之助を見て本格的に涙が出てきた。




「何泣いてんだよー」



「サク弱いんだもんっ」



「なんだとっ」



「うそだよ、サク強い」






強くて、かっこよすぎて、泣けてくる。


ちゃんとあたしのこと話せばよかったのに。
子どもの考えることだから、あたしのせいになると思ったみたいで、あんな意地張って。



バカだね。不器用だね。
好きになっちゃうよ。