勝手なことして傷つけたなって。やっと今反省した。
蕾のほうが高かった背も、長かった足も、大きかった手も。
気が付けば俺のほうが全部全部勝っていた。
こんなにでかくなって、傷つけるんじゃなくて守らなければいけなかったのに。
いつまでも子供のふりしててごめん。
て、今までして来たことの償いのように、陶器みたいな手を壊れそうなほど強く握った。
「サク、痛い」
当然そう言うと思った。
手を離そうとじたばたするんだろうと、その前に手の力を弱めようとした。
「サク、痛い…っ」
が、そう言って蕾が押さえたのは頭だった。
「蕾?」
何が起こったのかと、慌てて繋いだ手を離すと。
蕾は膝から崩れて地面にしゃがみこむ。
刹那、水溜まりの水が、ぬくもりの残る手にふいに飛び散ってきた。
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