君とは、生まれた時からいっしょ。
同じ日に同じ病院で生まれて、となりのベッドに寝かされた。
君が泣くと、あたしも泣いた。
となりで君が大きな声で泣くから、なんだかあたしまで大声で泣いた。
君が泣くと心がふるえたのを、今でもはっきり覚えてる。
生まれたばかりのまだ柔らかい体のなかで、真ん中にあるあっかいものがふるえるんだ。
ふるふる
ふるふる
ふるふる‥
それはだんだん大きな揺れになって、わけがわからないまま涙に変わる。
泣かないで。
泣かないで。
君が泣くと息ができなくなる。
君が泣くと目の奥が熱くなる。
君が泣くと
とても苦しい。
泣かないで。
泣かないで。