「…じゃ、ここでもいい?」


そう言って二人が並んだのはイルミネーションが綺麗なシンデレラ城の正面。

周りから見たら幼い中学生のカップル。



チラッと宏紀を見上げるとピースも何もしていなかった。
だからあたしもしない方がいいのかと思って後ろで手を組んだ状態で撮った。







「ほんまありがとう。」

「ううん、全然いいよ。」


ほんの一瞬、沈黙になった。

その一瞬のうちに愛花の事があたしの頭をよぎった。


「…じゃ、鈴待ってるし行くわ。」

「ほんまありがとう、ごめんな」

「ううん。」



それだけ言ってあたしは鈴の元へ走った。