「それからもう一つ」

ティアは歩きながら話を続ける。

「古代遺産はできるなら武器の方が高い価値を持っているわ。何故だかわかる?」

そのくらいは俺でも理解できる。

「『こんな時代だから』…だろ?」

俺の答えに、ティアはニッと笑った。

…今の時代は、様々な種族が進化を遂げ、地球の覇権を狙っている群雄割拠の時代だ。

エイプ、爬虫類、捕食動物、そして『奴ら』。

皆、他の種族を滅ぼし、この地球を掌握せんとしている。

世界各地で覇権争いを繰り返している。

そんな状況下で何より欲しいもの…それは強い武器だ。

人類の英知で造り上げられた武器の類の古代遺産は、特に道具を扱うという文化を持つエイプや『奴ら』にとって、喉から手が出るほど欲しいもの。

それだけに古代遺産としての価値も高いのだ。