遺跡に近づくと、廃墟と化した建造物…その巨大さがよくわかる。

まるで天を貫くかのように聳え立つ巨大なビル群。

神々の住む天界に辿り着こうとする傲慢な人間達の建てた塔のようだ。

もしかしたら人類は、その傲慢さ故に神に滅ぼされたんじゃないか。

この建造物を見ていると、そんな気さえしてくる。

同時に思う。

人類とは、エイプからは想像もできないほどの技術と文明を持った高度な種族だったのだと。

「さて、遺跡内に入る訳だけど」

ティアが俺の顔を見た。

「この遺跡で古代遺産を入手しようとしているのは私達だけじゃないわ。お宝目当ての同業者や、手段を選ばない盗賊も存在するかもしれない。もし鉢合わせたら、命を狙われる事だって珍しくない…十分に注意して行動してよね」