でかい酒場だと思っていたが、中に入ると席の数も尋常じゃない。

注文するのもひと手間だ。

ようやく店員らしき女性を捕まえて、リブステーキを二人分注文する。

「さてと」

やっと落ち着いたように、俺は椅子の背もたれに寄りかかった。

「とりあえずここから本格的に古代遺産探しが始まる訳だよな?」

「そうね。食事が終わったらこの街の鑑定士の店に行ってみましょう。この大陸のどの辺に遺跡があるのか聞けば、古代遺産探しがある程度絞り込めるから」

グラスのよく冷えた水を一口飲んで、ティアが頷く。

…何にしても腹ごしらえだ。

ジュウジュウと音を立てながら運ばれてきたリブステーキを前に、俺はぺロリと舌なめずりした。