混血種。

様々なエイプが住んでいる土地では大して珍しくもない。

混血種のエイプは両親の特徴を受け継ぎ、多彩な才能を持つ子が生まれる事も多いのだ。

「う…く!」

狼狽する細身のエイプの腹に、俺は横蹴りを叩き込む!

彼は落下防止用の手摺りをも飛び越え、船の外の海にまで吹っ飛ばされていった。

「ふぅ…」

軽く溜息をつき、呼吸を整える俺。

しかしそこへ。

「小僧!」

もう一人のエイプ…ゴリラ属の大柄の男が襲い掛かってきた!

手にした斧を大上段から振り下ろす!

「くっ!」