ダガーと呼ばれる戦闘用の大型ナイフ。

細身のエイプはテナガザルの特徴であるリーチのある両手を生かし、遠い間合いからダガーを横薙ぎに振る!

しかし。

「遅いな」

俺はあっさりとそのダガーを捉えた。

指でダガーの刃を摘んで、横薙ぎを止める。

「なっ!」

驚愕する細身のエイプ。

慌ててダガーを引こうとするが、刃は押す事も引く事も出来ない。

俺の指の力だけで、完全に動きを封じられていた。

「こんなチビに、力負けしてるってのか?」

「生憎だったな」

俺はニッと笑う。

「俺はゴリラ属エイプの親父とチンパンジー属エイプのお袋の間に生まれた混血種なんだ。力も知能も併せ持ってる…体格だけで嘗めてかかると痛い目見るぜ…?」