「お前ら!」

俺は二人のエイプの間に割って入っていた。

「コウ!」

ティアが目を輝かせる。

「んー?何だお前は」

見下ろすように俺を見る二人。

大柄の方はゴリラ属のエイプ、細身の方はテナガザル科のエイプのようだ。

それぞれに体躯に特徴が出ている。

「俺は彼女の用心棒だよ。彼女に三人も用心棒は要らない。俺だけで十分だ」

俺は二人を油断なく見据えながら言った。

…嫌な笑いを浮かべながら二人は笑う。

「こんな小僧が用心棒?お嬢ちゃんよっぽど金がなかったんだな」

「でも安心しな」

細身のエイプがユラリと動く。

直後!

「俺達は安く雇われてやるからよ!」

細身のエイプは両手に短剣を握り、斬りかかってきた!