秘伝書を懐にしまい込み、船室へと戻ろうとする。

その途中。

「ちょっと!どきなさいよ!」

甲板で聞き慣れた声が響く。

見ると、ティアが二人の男に囲まれていた。

柄の悪そうなエイプ達。

どちらも用心棒らしき風体をしていた。

それぞれ得意の得物を携え、ティアを取り囲んでいる。

「その態度はねぇだろ。お前さんみたいな上玉が北米で命を落とさないように、俺達が用心棒引き受けてやるって言ってんだ」

戦闘用の斧を持った大柄の男が言う。

「何、契約金は大した額じゃなくていい。その代わり…」

ティアの背後に立っていた細身のエイプが、彼女の尻を撫で上げた。

「わかるだろう?うへへへへ…」

「っっっっ!」

怒りに赤くなったティアが、咄嗟に背中のマチェットに手をかける!

だがそれを抜くよりも早く。