叱られてすっかりしょぼくれたものの、いつまでもそんな訳にはいかない。

気を取り直し、俺はティアと一緒に街の船着き場へと向かった。

既に船着き場には船が停泊している。

俺が住んでた村にあった、川で小魚を獲る為の小船とは訳が違う。

50人は乗れそうな、木造の大型船だ。

客室も完備されていて、船内での生活にも耐えうる造りになっているらしい。

「北米大陸までは三日間の船旅だからね。船で寝泊まりできないと困るでしょ?」

言いながら、ティアは乗船券を俺に手渡した。

「一枚金貨3万もするんだから。感謝してよね」

「ああ」

さっきの古代遺産鑑定士の店でもっと高額な品物も見たのでちょっと金銭感覚狂い気味だけど、この乗船券だって十分貴重品だ。

ティアに感謝しながら、俺は乗船券を受け取った。