「私達が交戦したクイーンローチは、Eウイルスによって進化したものでしたが…あの巨体、あの生命力に、ネオニコチノイドがどこまで通じるかは疑問が残ります」

「そうですか…」

腕組みする皇帝。

「ただ…」

ティアの言葉には続きがあった。

「クイーン自身が人類滅亡に関する話の中で語ったのですが…Eウイルスを無効化するワクチン…そのようなものを人類が開発し、ウイルス感染による危機から脱したのだそうです」

確かに。

クイーンはそんな話をしていた。

そして俺もまた、ティアが何を言おうとしているのかに気づく。

そのEウイルスを無効化するワクチン…便宜上『Eワクチン』とでも呼ぼう…それがあれば、進化したローチを倒す足掛かりになるかもしれない…!