…子供が玉座に座っていた。

俺より5歳は年下の少年が、腰掛けている。

玉座が高すぎて、膝から下をプラプラさせている。

彼が…皇帝?

エイプ20億の頂点に立つ人物?

「玉座に座ったのがこんな子供で驚いたでしょう?コウ・タオレン」

少年…皇帝が屈託のない笑みを浮かべる。

「い…いや…その…」

その笑みで全てを見透かされたような気がして、俺は再び頭を垂れた。

「皇帝とはいえ、別に貴方達と何ら変わらない、只のエイプです。たまたま最古のエイプの血を引いている…それだけで持て囃されているだけの、そんな存在ですから。どうかかしこまらないで下さい」

そうは言うものの、その口調、語り口、威風堂々たる態度、身に纏う雰囲気、全てが15に満たない少年の持つ資質とは思えなかった。

やはり皇帝の血筋。

彼は立派にエイプ族の長たる風格を持ち合わせていた。