皇帝を待つ間に使うようにと俺達に準備されたのは、本来なら要人しか使用できない最高級のスイートルームだった。

数々の調度品でまとめられた、地上30階の宿泊施設。

一声かければ専属のスタッフがドリンクから食事まで全て運んでくれる。

庭には全天候型、天井硝子張りのプールまである。

階下は帝都の景色を一望できる最高のロケーション。

俺みたいな田舎者が、こんな部屋を使っていいんだろうか。

普通に宿泊すれば、一晩で金貨数百万はかかりそうな部屋だ。

「遠慮なく使ってくれればいい。君達の北米大陸や南米大陸で果たしたトレジャーハンターとしての功績は、金では換えられないものだからな。せめてこういう形で、その労をねぎらいたいという、皇帝陛下の計らいだ」

リハード少佐はそう言ってルームキーを俺に預けてくれた。

「南米大陸での傷と疲れを癒す意味も含めて、自由に過ごしてくれ」