さて、突然の皇帝府の訪問だったが、当然の如く皇帝は多忙という事で、すぐの謁見は許されなかった。

その代わり皇帝が謁見の時間をとれるまで、皇帝府での滞在を許可された。

厳重なボディチェック、トレジャーハンターライセンスによる個人情報のチェック、入念な取り調べまでされ、俺達は30分後、ようやく橋の向こうの皇帝府敷地内への入場を許された。

「気を悪くしないで欲しい」

リハード少佐が言う。

「皇帝はエイプの中でもトップ中のトップ、最高位の要人だ。故にローチ以外にも、様々な者に命を狙われる。同じエイプでも、皇帝陛下の命を狙う者がいるのだ。素性の知れない者は、皇帝府に近づくどころか、帝都に入る事すら許可されない」

どれだけの重要人物なのかが窺える話だ。

同時に謁見を許された俺達は、この上ない名誉を得られたのだ。