「あまり休息を取れていないのだろう?君達の身柄はきっちりと帝都軍が安全な場所へと送り届ける。安心して睡眠をとるといい」

俺達を気遣ってくれるリハード少佐。

しかし、眠る前に伝えるべき事がある。

南米大陸で見聞きした事。

得た情報。

そのどれもが、この世界を大きく震撼させるに足る情報だ。

この世界で当然とされている常識が、根底から覆されかねないほどの真実。

俺とティアは、リハード少佐達にその真実を語る。

「…何という…それは本当の話なのか、コウ…ティア…」

リハード少佐以下、気球に乗り合わせた数人の軍人達が、皆一様に青ざめた。

「人類滅亡の原因がEウイルスではなくローチによるもの…しかも現存するEウイルスの一つを、ローチが奪って逃走しただと…?」