後味の悪い結末。

スカーフェイスは俺達を利用して、クイーンからEウイルスを奪う機会を狙っていたのだ。

どこまでも狡猾で、ローチとは思えない知能の持ち主だった。

…だが、これで生きて帰れる。

ティアを無事救出し、俺達は南米大陸を脱出できるのだ。

「そうかしら?」

グルカナイフを引き抜き、水を差すようにティアが言う。

…ふと耳を済ませると、音が聞こえた。

…カサカサ…。

…カサカサカサカサ…。

エンパイアステートビルで聞いた、あの不快な足音。

ローチ達の迫る足音だ。

「この密林に残っているローチ達が、ここに集結しているのかもしれない…クイーンを殺したのは、私達だと思っているかもよ?そうなれば…」

「生かして帰すつもりはないか…」

俺は歯噛みするしかない。

もう疲労困憊。

ローチの大群とやり合う体力なんて残っていない。

どこまで抗し切れるか。

と。