鎌首をもたげるクイーン。

その姿はまさしく大蛇だった。

「さて…存分に愉しませてもらった所で、そなた達は最早用済みじゃ…死んでたもれ。このわらわの塒に響き渡るほどの悲鳴を上げて、息絶えてたもれ!」

長い胴を駆使して、高速で襲い掛かってくるクイーン!

「く…!」

左足に傷を負ったまま、迎え撃とうとグルカナイフを抜くティア。

そんな彼女を。

「馬鹿…避けろ!」

俺は尻尾で足を払って転倒させた。

間一髪、ティアの頭上をクイーンの攻撃がすり抜けていく。

「そんな足であの化け物と戦えるもんか」

「でも!」

ティアが俺の顔を見る。

…全身打撲。

傷で言えば俺の方が重傷かもしれない。

だけど、俺は立ち上がる。

「真実まで知らされて…このままここで死ねないだろう」