アリゲーターは顎を掴んだままの俺を水底まで沈め、そのまま叩きつける!

「っっっっ!!」

背中を水底の岩場に打ち付けられ、思わず呻く。

肺の中の酸素を一気に吐き出してしまい、またも呼吸が苦しくなる。

その間もアリゲーターは高速で水中を泳ぎまわる。

獲物である俺を水中で衰弱させ、弱った所を仕留めるつもりだ。

何とかしなければ…でもどうやって?

呼吸困難と混乱でどうにもできない俺と共に、アリゲーターは長く太い尾の力で水面へと跳ね上がる!

600センチもの巨体が宙を舞う。

とてつもない尻尾の力だ。

この隙に俺は大きく息を吸い込む。

窒息死だけは免れた…そう安心したのも束の間。

「がはっ!」

また背中から水面に叩きつけられ、息を吐き出してしまう。

このまま衰弱してアリゲーターの餌になるのも時間の問題だった。