やっと汗とローチの体液でベトベトに汚れた体を洗い流す事ができる。

思わず笑みさえこぼれてしまう。

本当なら着ている物を全部脱いで裸で河に飛び込みたい所だけど、突然の敵襲に備えて服は着たまま。

俺はザブザブと水飛沫を上げ、河の中に入っていった。

ジットリとした蒸し暑さの続いた密林の中。

河の水が水温以上に冷たく感じられる。

汗を流せるのが心地よくて、俺は少しの間、川面にたゆたっていた。

水のせせらぎ、野鳥の鳴き声、そよぐ風。

ここがローチの勢力圏、南米大陸である事を忘れてしまうほどの居心地のよさ。

こういう行為に幸福感を感じられるのは、過酷な冒険をしている者ならではかもしれない。