湿気がまとわりつく。

蚊が寄ってくる。

不快指数限りなく100パーセントの密林。

ひたすらにナイフで草木を薙ぎ払い、険しい獣道以下の道を進む。

どのくらい歩いたんだろうか。

やっと、せせらぎの音が聞こえてきた。

その音が心地よくて嬉しくて、俺は少し足早になる。

茂みを掻き分けて進んでいくと、そこには大きな河が流れていた。

向こう岸まで30メートルはあろうかという河。

水は澄み切っている、とまでは言い難いが、まぁ何とか水浴び程度ならしてみようかと思える程度の透明度だった。