俺は兵士の言葉を無視して走り出す!

「上官に伝えろ!このまま南米大陸から離れろ!」

尚も俺の進路を妨害するローチ達に力任せの拳を叩き付け、前へ前へと進む。

「俺はティアを助け出して自力で脱出する!」

無謀とか不可能とか、そんな事はどうだっていい。

このまま相棒を見捨てて退却するなんて言うほど、俺は計算が働かない。

それだけだ。

…両の拳がローチの体液に染まる。

それすらも構わず、俺はひたすらに邪魔者を撲殺しながら密林の奥へと分け入っていった。