「コウさん!」

鬼の形相でローチ達を打ちのめしていく俺の肩を、兵士の一人が掴んだ。

「これ以上の深追いは貴方も危ない。一度退却すべきです!」

「うるさい!」

俺はその手を振り払った。

「退却したければ勝手にしろ!俺はティアを助けに行く!」

当然だろう。

故郷の村を旅立ってから、ずっとティアとは一緒だったんだ。

迷惑かけたり叱られたりもしたけれど、彼女は未熟な俺をずっとサポートし続けてくれたんだ。

そんな彼女を、見捨てたり出来るもんか!