傷を負った兵士は少しずつ撤退準備を始める。

その隙を攻め込まれないよう、俺とティア、そしてまだ戦える兵士達は奮闘する。

一体どこに巣穴があるのか。

密林の奥から、次々とローチ達は湧いて出てくる。

一匹だけでもグロテスクな姿だというのに、群れで襲い掛かってくる光景は実におぞましく、鳥肌が立つようだった。

「そばに寄ってくるんじゃねぇよっ!」

拳を、肘を、膝を、蹴りを。

ローチの弱点である頭や腹部にピンポイントに打ち込み、一撃で戦闘不能に持ち込む。

きっちりとどめを刺したい所だけど、一匹ずつとどめを刺していては、こちらが数で押されてしまう。

それに負傷兵を撤退させる事が、今は先決だった。