まだ密林に踏み入れないうちから、怒号や阿鼻叫喚が響いてくる。

まだ帝都軍の生き残りがいる…!

「ティア…!」

「ええ」

グルカナイフを逆手に握るティアと共に、俺は密林の中へと突入した!

木々の間に飛び込むと同時に、いきなり一匹のローチが飛び掛かってくる!

俺はその出鼻に横蹴りを見舞う!

蹴りの威力で木の幹に叩きつけられるローチ。

その顔面に飛び膝蹴り!

ぐじゃっ!という音を立て、ローチの顔が潰れた。

…巣穴にその半数が潜んでいたというローチ達。

しかし、ネオニコチノイドの影響を全く受けなかったという訳ではないらしい。

エンパイアステートビルで交戦した個体ほど、あの執念深いまでの生命力が感じられなかった。