軋む扉を開き、建物の中へ。

中は酷い有様だ。

埃、瓦礫、砕けた壁や天井、今にも崩れそうな柱。

何せ三千年以上前の建造物だ。

今なお原形を留めている事が不思議なくらいだった。

慎重にティアが進む。

俺はその背中を守るような形で続いた。

響くのは二人の足音だけ。

時折風が吹き込み、小さな破片が崩れ落ちる音が聞こえた。

それ以外は静寂。

かつてはこの建物内にも、喧騒があっただろうに…。