「 …こんな好きや好きやアピールしとんのに、なんで俺に応えてくれへんの…?」

奴は切なそうな目で私を見つめた。


「 好きでもないなら、遊びに誘われても付いてくんなや。俺がアホみたいに期待するだけやろ…… 。」
苦しそうに吐き捨てた言葉。けれど私は、思考の方が追いつかず、その言葉の意味がすぐに理解出来なかった……


( この男は、なにを言っているのだろう… )

雨に打たれながらそんな事をぼんやりと考えていた…。

( "好き”って、…私のことを?)


「 …嘘。」
ようやく思考が追いついたころには、信じられなくてそう声を漏らした。

「 嘘ちゃう。俺は、お前のことが好きや。」
私の言葉に、奴はすぐさまそう言い返してきた。


「 アンタの言うことは軽い。信じられない。」

……素直に信じれば良いものを、また可愛くない私が顔を出した…。
でも、信じられないというのは本音だった。どの女の子に対しても私と同じような態度でいておきながら、好きだなんて言われても信じられない…。

しかし、奴は心外だと言わんばかりに言い返してきた。

「 俺のどこが軽いんや!?こんなにも、オマエに一途やのに…。」

「 !?」


( 一途とか自分で言うなっ!!恥ずかしいっ!!)

言われたこっちの方が恥ずかしくて仕方ない言葉に、思わず言葉に詰まる。