…それはさておき、 目の前の彼氏。耳どころか、ほっぺまで赤くなってる。



「 顔、赤いよ?」

「 煩い。お前が悪い 」

茶化すように顔を覗き込めば、 ぷいっと、そっぽ向かれた。…照れてるのと、ちょっとふてくされている様子。


 ( …あ、私って 、結構愛されてる …。)

なんてことを思っちゃったから、私まで顔が火照ってきた。…やばい。恥ずかしい。照れる。

誤魔化すように私も視線をケータイに向ける


「 ………。」

「 ………。」

なんとなくの沈黙。


「 ……あのさ、」

私が口を開く

「 な、なんだよ…っ、」

奴は吃りながら返事する。

私は、視線を液晶に睨向けたままに、そのまま言葉を続けた……



「 …私があんたに告った時の言葉、 覚えてたりする…? 」

…あ、私のバカ。 なに聞いてんだろ。恥ずかしい…。奴も、驚いたように私を見た。…それでも何事もないように一言


「 "好き" 」
…その言葉は、目の前の画面の文字と重なった…。


「 ん。正解 」

あぁ、駄目だ。口元がニヤける…。それを必至に抑えてもう一度、口を開いた…

 

「 "俺も好き" 」

そう呟いたその言葉に、 半年前同じ台詞を口にした男は、焦ったような、照れたような声を上げるけれど…

気にせず私は、静かに その言葉を画面に打ち込んだ…。



fin