あんなに憎かった花粉症も、彼の言葉でなんだか許せる気分になってしまった…。でも、だからといって症状は良くなるわけでもなく…
「 …目痒いーーっ、」
目が痒くて仕方がない。
思わず叫ぶ私に、
「 掻くなよ。」
そう言って目を掻き過ぎないように私の手を握る彼
「 …目薬買ってこようか? 」
「 だめ、一緒に居て! 」
そう言いながら、引き止めるようにその手をぎゅうっと握り締めると、
「 ……あんま可愛いこと言うな。」
照れたようにそう言いながら、繋いだ手を引かれて抱き寄せられた……
けれど、その衝撃で私は、
「 ――…くしゅんっッ!!」
と、くしゃみが出た。それも盛大に……
「 ………ごべんっ、」
鼻水もまた垂れてきて、もう台無し……
そんな私を見て彼が笑う…。私は仕方なく、再びティッシュに手を伸ばした。
ずびーーっと、鼻をかんでいる私を見て彼は、小さく笑いながら、
「 ……鼻、赤くて可愛い。」
そう言って、赤くなった私の鼻の頭に優しく優しくキスを落とした……。
fin