全ての始まりは、あの人に出会ってしまったことから始まる。


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高校生活2年目。浮いた話のひとつもない。周りの友達は彼氏ができたやら好きな人ができたやらどうたらこうたらと毎日そんな話で華やいでいる。


「みちこー。あんた本当に気になるくらいの人いないのー?」


このやたら語尾を伸ばす癖のある話し方をするのは、一番の友達の梨香子だ。茶色のロングヘアーに大きな瞳を携えている梨香子はとりあえず男好きで彼氏が居なかった期間はほとんどなく、今も隣のクラスの男の子と熱愛中。


「ねえ〜みちこってばー。そんなんじゃ枯れちゃうよー。」

「うるさいなあ。いいんだよ別に。」

「もうー。一生独り身で〜おばあちゃんになって〜孤独死しちゃっても、リカしーらないっ!」

「……梨香ちゃん冷たいのね。」



別にいいんだ。特に彼氏が欲しいとは思わないし、友達もいるし、全く寂しいとか思わないし。

梨香子と違い真っ黒の短い男の子みたいな髪型に普通の容姿を持つ私には恋愛と言う単語は結び付かない。

まっしゃーない。
人には向き不向きがあるのだ。