「貝ある?」


私は顔をあげた
そこには 瞳が澄んでいる
男の子が立っていた

『あんまりないよ』

「ここらへんあんまないんだよ」
『そうなんだー…
おうち、ここらへんなの?』

「そうだよ おまえは?」

『ここにはママのお仕事で
ついてきたんだよ』

「ふーん」



少し意地悪な口調の男の子
その子の名前もカイトだった